紅雛

大切なものを守っていく。

仲間 4

久しぶりに話す仲間と過ごした時間。
上手く話せないときもあった。

でも、全員とすごく仲がいいなんてなかなかないことだし、
話が弾む会話があれば、そうじゃないものもある。


大丈夫、無理しなくていい。
そう思った。

そして、そんな俺でも輪の中に置いてくれる。
飾らなくていいんだね。
本当にすごく楽しい時間だった。
俺、こんなんでいいんだなって思ったし、
そんな俺で許してくれるみんなが好きだ。
俺に限らず。
みんなのいろんな個性をそのままで認め合えて、笑い合えてる。

きっとずっとこんな感じ。
”これから”があることがすごく嬉しい。

俺の学生時代は本当に、全国のどの大学生にも負けない思い出があるって言える。
胸を張れる思い出、そしてそれを一緒につくった仲間がいる。
そして、そんな奴らとのこれからがある。

大切に守っていきたい。


そんな気持ちと。


咲に対するおめでとうがあふれた、すごく優しい時間。




式も披露宴も、本当に素敵だった。


今日ここに来る前に、俺は決めてたことがあった。
式が終わったら、改めて咲に手紙を書くということ。
当日来るのは俺だけじゃないし、なかなかちゃんと話すことができないから、
おせっかいじゃないならそうしたいと思ってた。
そして、それ用のウエディングカードとかも買ってた。

でも、さすがにそれはやりすぎなのかなとか
メールとかのほうがいいのかなとか
いざ買ったはいいものの、迷いもあった









会場で、自分の席についたとき、参加者一人一人にあててメッセージカードが置かれていて。
咲が俺にあててくれたメッセージにまた驚かされた。
”文通しよう!”って書いてあったから。


俺は咲に手紙を書いたことはないし、年賀状も送ったことがない。逆もそう。
メールも卒業以来してないし、学生の頃だってそんなにしなかったのに。



きっと
沢山の人にメッセージを書いていて。俺もその中の一人で。
その人のことを思い出しながらメッセージを書いていく作業。
簡単なことじゃないし、すごく大変な作業。
もしかしたらそこに大きな意味はないのかもしれない。
けど、ほかにも選べた言葉があった中で”文通”って言葉を選んでくれたこと。

信じたいな、そう思った
同じようなこと考えててくれたのかな。だったらいいな。


でもこれで、送っていいんだって思わせてくれた。
あの日感じたこと、思ってること。
咲にとどけよう。
ちゃんと伝わるように。